Dr.Shawkea Official Blog この手で、出来る限り多くの 新薬開発に貢献したい。医学博士 邵 輝

PROFILE

医学博士  邵 輝(しょうき)

北京中医薬大学医学部を卒業後、大阪大学医学部に留学。現在は全国各地の講師・講演を務める傍ら、新商品開発に向けて研究に情熱を注ぐ。
医学博士として東洋医学と西洋医学に精通し、将来の東西両医学の発展的融合を目指す貴重な第一人者

万能薬草・タンポポとは~毛細血管拡張作用part2~

解毒革命 | 2017-09-17

マウスを3つのグループに分けてそれぞれに

タンポポと水とビタミンEを投与し、

マウスの腹膜毛細血管における赤血球流量を測定しました。

 

するとタンポポを投与したマウス群の赤血球の流量は、

水を与えたマウス群と比較して約5倍になりました。

 

これはタンポポが血流を改善することを示しています。

 

解毒の臓器の一つである腎臓には多量の血液が流れており、

特に血液を濾過して尿をつくる糸球体は毛細血管の塊です。

 

血液がドロドロだと腎臓の負担が大きくなります。

 

最近、急性腎炎や腎不全が増えていますが、

これらは身体の解毒が十分にできていないため、

腎臓の解毒機能がさらに低下するという

悪循環に陥っているからです。

 

腎臓の働きを活性化するためには、体の解毒を助けてあげること、

そして血流改善が大切です。タンポポには利尿作用があり、

血流を改善しますので、

腎臓尿の改善が大いに期待できます。

 

解毒革命より一部抜粋 邵輝(ショウキ)

『週刊新潮』特集内の『「妊婦」「妊活女性」が絶対飲んではいけない薬がある』について

ブログ | 2017-09-14

『週刊新潮』、2017年9月14日号において『「ツムラ」が国民を欺いた!!「漢方」の大嘘』という特集がありました。

目次には『「妊婦」「妊活女性」が絶対飲んではいけない薬がある』という項目があり、黄連(おうれん)、黄柏(おうばく)、牡丹皮(ぼたんぴ)が挙げられていました。

 
 


6年前には、ベルベリンが哺乳動物の受精卵成長を抑制するという研究結果も出されている。事実上、この生薬が避妊薬と同じ効果をもたらすことが、明らかになったのだ。
「こうした副作用がある以上、私は妊娠した女性だけでなく、妊娠を希望する女性も絶対に口にしてはいけないと思っています。黄連、黄柏を含む漢方薬を服用すれば、避妊薬を飲みながら不妊治療を受けるようなものですから」
(『週刊新潮』、2017/9/14、p47 カッコ内は『死者まで出ている「副作用」事典』の監修を務めた筑波大学名誉教授・内藤裕史さんによる解説)

 
 

ベルベリンは黄連と黄柏に共通する成分です。

週刊新潮の記事内にある「ベルベリンが哺乳動物の受精卵成長を抑制するという研究結果」は以下になります。

Coptis Rhizome and Phellodendron Bark Extracts and Berberine Inhibit the Development of Mouse Embryos
Yukio Tsunoda and Yoko Kato
J.Mamm.Ova Res. Vol.28, 40-46, 2011
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmor/28/1/28_1_40/_pdf

 
 

そして、この研究は動物実験ですが、内藤さんがこれを「ヒトに適応できる信頼性の高い研究である」と判断した理由は、以下に記載されています。

『JAPIC NEWS』、2016年2月号No.382
<コラム> 最近の話題「漢方生薬に発がん物質」 内藤裕史
http://www.japic.or.jp/service/whats_new/japicnews/pdf/JAPICNEWS16-02.pdf

 
 

このブログの読者には、漢方を扱われている先生方も多くおられます。是非は先生方がそれぞれ判断されることですが、専門家として漢方に関連する議論は知っておく必要があると思いましたのでご紹介しました。

 
 

<参照>
●監修・内藤裕史、『死者まで出ている「副作用」事典』、週刊新潮、2017年9月14日号
Yukio Tsunoda and Yoko Kato, Coptis Rhizome and Phellodendron Bark Extracts and Berberine Inhibit the Development of Mouse Embryos, J.Mamm.Ova Res. Vol.28, 40-46, 2011
内藤裕史、『最近の話題「漢方生薬に発がん物質」』、 JAPIC NEWS、2016年2月号No.382

『不妊治療のやめどき』 「不妊治療をやめる理由」を探すためではなく、治療をもう一度振り返るために

ブログ | 2017-09-13

このブログを読んでおられる方は、赤ちゃんがほしいと思っておられる方、妊娠を望んでおられる方をサポートしたいと思っておられる方がほとんどだと思いますので、『不妊治療のやめどき』というタイトルの本を紹介されてもちょっと・・・と思われるかも知れません。

しかし、医療技術の進歩で、以前ならあきらめなければならなくても「治療ができてしまう」環境は、患者さんにとってはうれしい反面、やめたくない、やめられないという厳しい状況でもあります。

私は「体外受精がうまくいきません。疲れてしまって、もうどうしたらいいのかわかりません」と相談された時に、「体がしんどくなってきたと感じるなら、率直に言って半年ほど休んだ方がいいです。半年が無理なら、3カ月でも休んだ方がいいです」と言ったことがあります。

不妊治療をされている方は「本当に赤ちゃんがきてくれるのだろうか」という先が見えない不安でいっぱいです。何度も治療を繰り返していると、このまま続けていくことに疑問を感じ、「治療をやめる」ことが頭をかすめます。

そして、不妊治療に携わっている先生方は、治療がうまくいかない患者さんから「どうしたらよいかわからない」という相談を受けることも多いと思います。「答えは患者さん自身が持っている」、それはそうなのですが、当事者の思いを少しでも知ることは不妊治療に携わっている先生方にも有用であると思います。

本書には自分の子どもを持つことをあきらめた方々の体験が記されています。患者さんの「治療の区切り」は本当に人それぞれで、やめると決めたからスパっと割り切れるわけではなく、大なり小なり気持ちを残しながら揺れ動いている方がほとんどです。そんな方々の言葉が簡潔にまとめられているのは参考になります。

著者の松本亜樹子さんが「ぜひ伝えたい」と思うことの一つに「悲しむことを我慢しない」ということがあります。


期待するとその分ひどくがっかりしてしまうことを自分でわかっているので、防衛本能から、最初から期待値を低くしてしまう。そうして悲しみの量を少なくしようとしていたのだと、しみじみ思います。
そんなふうに、悲しむことすら我慢してしまう。こういう人はけっこういます。
けれど、もっと悲しんでもよかったのかもしれません。
素直に期待して、ダメだったら泣くだけ泣いて、その方がすっきりできたのかもしれません。
(『不妊治療のやめどき』、p50より引用)

ピクサーの映画、『インサイド・ヘッド』を思い出しました。『インサイド・ヘッド』の登場人物は、ある女の子の頭の中にあるヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカの感情です。女の子は転校で新しい学校になじめるか不安で、本当は泣きたいのに「がんばろう!」と無理をするので心が不安定になっていきます。でもやっぱり耐えられなくて女の子の気持ちが崩れていき、それを止めるためにヨロコビとカナシミが脳の中を冒険する、という展開です。

途中、落ち込んでいる友達をヨロコビがどう励ましても反応しなかったのに、カナシミが立ち直らせる場面があります。「カナシミ、何をしたの?」と聞くヨロコビにカナシミは言います。「何もしてない。ただそばにいただけ」

女の子は転校して悲しい気持ちを両親に遠慮して表すことができなかったから、自分の心を壊してしまいます。「悲しみはない方がいい」と思われがちですが、大切な感情であるということを改めて思います。悲しみの気持ちがないと、困っている人や苦しんでいる人たちの悲しみもわかりません。

この本はタイトルこそ『不妊治療のやめどき』ですが、不妊治療をやめようかどうしようか迷っていて、「不妊治療をやめる理由」を探すために読む本ではないと思います。むしろ、今行っている不妊治療をもう一度振り返り、整理するのに有用な内容です。この本を読んだら問題が解決するわけではありませんが、患者さんが自分なりに進んでいく支えの一つになるかもしれないと思います。

<参照>
●松本亜樹子、『不妊治療のやめどき』、WAVE出版
●邵輝、「ベビ待ち 臨床の現場から」、健康プラス vol.18、2012